ササキ

ドキュメント 路上のササキのレビュー・感想・評価

ドキュメント 路上(1964年製作の映画)
3.5
走行車から都市の景観を映し取り、その車体や車輪の隣接ショットが随所に挟まれるという点で『カメラを持った男』に代表されるロシア・アヴァンギャルド映画を連想したが、本作はタクシー運転手の事故と隣り合わせの日常を、不安定に素早く運動するカメラ、極端な隣接ショット、不穏な車のエンジン音等とともに提示していて、その点で人間の眼を映画的に視覚拡張させることが目的であった『カメラを持った男』とは異なっている。路上のモンタージュという言葉が自然と出てくるような特異な映画。交通事故発生地図に突き刺された夥しい数の針が気持ち悪かった。
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