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BFG:ビッグ・フレンドリー・ジャイアントのYYamadaのレビュー・感想・評価

3.4
【監督スティーブン・スピルバーグ】
第30回監督作品
◆ジャンル:  
 ファンタジー

〈見処〉
①児童文学を映像化
・『BFG: ビッグ・フレンドリー・ジャイアント』(原題: The BFG)は、『チャーリーとチョコレート工場』で有名なイギリス児童文学作家ロアルド・ダールが1982年に出版した『オ・ヤサシ巨人BFG』を原作としてスティーヴン・スピルバーグが監督した2016年公開のファンタジー映画。
・舞台はイギリス、ロンドンの真夜中。児童養護施設で暮らす少女ソフィーは、巨人BFGを目撃したことから、巨人の国に連れ去られる。
・BFGはソフィーが巨人を見たことを大人たちに告げることを恐れ、BFGの家で暮らし始めるが、家の外には人間を食糧にしているマルノミら9人の大巨人が居座り、小柄なBFGをいじめていた。
・ひとりぼっちのソフィーは、自分と同じく孤独なBFGと心を通わせていき、BFGを守るため彼の収集した「人間の夢」を使って、マルノミたちを倒そうと提案する…
・本作は1998年にロビン・ウィリアムズ主演にて頓挫していた企画であったが、2011年9月にドリームワークスが映画化の権利を取得。スピルバーグは『ブリッジ・オブ・スパイ』の撮影中に、同作に出演したマーク・ライランスに本作のBFGのキャスティングを打診し、製作を開始。
・本作はスピルバーグ監督作品で最も低い興行収入の一つであり、ディズニーが被った損失は、1億ドルになるという指摘もされているが、作品質は悲観する程ではないと思う。

②メリッサ・マシスン
・脚本家メリッサ・マシスンは、当時パートナーだったハリソン・フォードに同行し『レイダース/失われたアーク』(1981)のチュニジアロケに参加した際に、スピルバーグと対面。彼らの代表作となった『E.T.』の脚本化につながっていたが、本作は、それ以来のスピルバーグ監督作品の参加となった。
・本作が心優しい巨人と、孤独な少女の心温まる友情を描く作品となったのは、ダークな要素を含む原作をマシスンにより、良質なファンタジーに描き直したから。
・なお、メリッサ・マシスンは、本作公開の半年前の2015年11月に、病気のためロサンゼルスで死去。本作品が遺作となった。

③結び…本作の見処は?
○: 子供向け作品として、酷評されあ本作であるが、ファンタジー版『進撃の巨人』として、特殊視覚効果に多数の見処あり。
○: 『ブリッジ・オブ・スパイ』のアカデミー助演男優賞、マーク・ライランスの表情や仕草が残るBFGは大変魅力的。俳優の特徴が見えない『タンタンの冒険』よりも断然よい。
▲: 女王陛下にオナラをさせてはいけない。
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