ナツメグ

BFG:ビッグ・フレンドリー・ジャイアントのナツメグのネタバレレビュー・内容・結末

2.0

このレビューはネタバレを含みます

スティーヴン・スピルバーグ監督最新作BFGはチョコレート工場の秘密のロアルド・ダールの児童文学オ・ヤサシ巨人BFGを原作として、脚本をE.T.のメリッサ・マシスンが務めるた作品
となっています


スピルバーグ作品をすべて見てるわけではないのですが自分の思うスピルバーグ作品は

失われた家族の絆を描く

大きなものに追いかけられて登場人物と観客を恐怖させる

世間と違う価値観の人物が周りに流されずそれを貫き通す

ファンタジーやSFだけど現実的に見せるポリティカルフィクションのような話の作り方が巧み
といった印象です


映像は夢の調合シーンや森のシーンが美しく、オリとくらやみの森というゲームを思い出しました
BFGの家の中も細かいところまでよくできていてとても素晴らしかったです


演出はスピルバーグお得意の巨大なものに追いかけられるというシーンが結構あるのですが、スピルバーグの映画のアクションシーンで初めて眠いと思ってしまいました
今回のアクションシーンはいつもと違いおそらく観客を怖がらせようという意図で作ってないといった印象で、巨人が残忍なシーンを見せないというのもありますが、子役のルビーちゃんに本気で怖いと思ってる演技をさせてないからだと思います
個人的な意見ですが映画などにおける恐怖とは怖い怪物などを見せることより、それを体験した人物がいかに恐怖を感じてるかを見せることが観客の恐怖につながるものだと思います
過去作ではそういった演出をやっていましたが、今回はそれがないのはやはり観客を怖がらせる気がないと思ってしまいました


今回は直接的な笑いを取りに行くシーンがかなり多かったですが自分には全く合わなかったので、かなりきつかったです特にイギリス王室のシーンは物語的にも必要ないシーンが多く、それでいてテンポが悪く正直かなり退屈でした


キャラクターは主人公のソフィーですが物語動かすキャラとしてはいいのですが子供らしさを全く感じられませんでした
BFGはマーク・ライランスが演じていたのですが
子供好きのお爺ちゃんといった感じが出ててよかったです
乱暴な巨人たちはフォールアウトのスーパーミュータントみたいで結構好みのキャラクターです
自分は吹き替えで見たのですが声優さんたちにはそんなに違和感はなかったと思います


ストーリーもソフィーの孤児院の描写がほとんどなく、自分としてはスターウォーズやハリーポッターのように孤独でずっとこの環境で終わってしまうかもしれないという焦燥感のあるようなシーンを見せてほしかったです


ほかにも乱暴な巨人たちは過去に礼儀正しく人間に友好的だったことやBFGだけは人間に夢を見せることをなぜ選んだのかといった面白い話があるのに、そっちの詳しい話は語られませんでした


BFGとソフィーは友達であると同時に家族のような存在として絆を深めて、2人が勇気だして困難に立ち向かうという展開はよかったのですが最初のシーンのせいでBFGは人さらいのように映ってしまいました


ラストの展開もETのように友達と一緒に暮らすため、自分が住んでいた世界を捨てって巨人の国暮らすよりも、自分の世界を取るといったシーンですが、あんないい場所で暮らせるようになっていたため、その効果もかなり薄くなっている印象です


過去のスピルバーグ作品も好きな作品が多く、今年公開されたブリッジ・オブ・スパイがとても素晴らしい作品で結構期待していたのですが、ファンタジーだが現実的な所もちゃんと描くといった物見たかった自分としては結構がっかりでした
今作はスピルバーグ作品というよりディズニー作品といった印象で子供を楽しませるための映画であり自分はこの映画のターゲット層から完全に外れていて見るべき映画じゃなかった
と思ってしまいました
ナツメグ

ナツメグ