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アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場のtheocatsのネタバレレビュー・内容・結末

1.0

このレビューはネタバレを含みます

ネタバレ
高慢で職務に忠実な軍人に主導性を持たせると必ず〝人殺しを優先”する

この手のドローン攻撃におけるオペレーターの逡巡・葛藤やPTSDというテーマものは何本か見ているが、何れも胸糞が悪くなる視聴感という点で共通。

本作品は展開の分かりやすさ(かといって安易さや陳腐には陥らない)や緊張・緊迫感の持たせ方など、映画として良い出来なのは間違いない。

しかし、民間人に犠牲が出たという最終結末もさることながら、たとえ死亡者が全てテロリストだけだったとしても「超ハイテクを用いた安全地帯からの遠隔攻撃」という部分に言いようのない怒りと嫌悪を抱かずにはいられない。

役柄としてキーパーソンとなった女大佐。とにかくテロリスト殺害が先走り、少女が重傷を負ったり死亡することは軽視するその太々しさ憎々しさに、ハリセンや大根で横っ面を引っぱたくことが出来たらどれだけすっきりするだろうと歯噛みしていた。(←これも危険思想になるんだろうね笑)
※それだけ役に徹しきっていたのだから、それはそれで見事なことなのだろう。

文民統制(シビリアンコントロール)の重要性とその限界という面で考えさせられたのは認めるが、テロリストになることは全然望まなくても安全地帯からの遠隔攻撃をする側には絶対なりたくないという思いをさらに強くした。
軍の上層部は良心が既に麻痺しているし、直接のドローンオペレーターはどうしたって良心の呵責やPTSDに苦しむほかないよね。

映画各要素はさておき、心情的にマイナス一つ星


一つこれはおかしいと思ったのが、一度は少女からパンを全部買い上げた後に私兵に銃撃され生き延びた間諜者が、助かってから再度パンの購入を近くの少年に依頼した事。
少女がパンを再度売り始めたことは間諜者は知らなかったはずだから、あの場面にはまずさを感じた。それともこちらが何か見逃していただけなのかもしれないがね。(銃撃者から逃げ隠れしながら無線で状況を把握していたとか??)

022202
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