トランスマスター

アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場のトランスマスターのレビュー・感想・評価

4.5
♯57 「戦争の代償を知らないなど軍人に言うな」

英・米軍合同によるテロリスト捕獲作戦。
ケニアの首都ナイロビ上空の無人機が英国人2人・米国人1人を含む数年間追っていたテロリストの姿を確認。さらにアッラーへの祈りの後に爆弾ベストを着こんでいる。無人機の爆撃でこれから起こるテロの被害を未然に防げるが射程圏内にパン売りの少女がいる為、爆撃の是非を軍上層部・各国閣僚間で責任の所在をたらい回しにするお話です。

◆良い点/注目ポイント
・各種ドローンの一刻を争う事態の映像と政治家のモタモタした保身の議論にイライラしますがそれだけの臨場感があります。
・ハチドリ型や昆虫型ドローンの飛行シーンは相手に見つからないかドキドキです。
・ロンドンでの指揮、ハワイ真珠湾での画像分析、ネバタ州の砂漠の中でのドローン操作 副題の通り現代のテロ戦争の実態が見えてきます。

◆改善点
・政治家が保身のために議論を膠着させるのは彼らの行動の優先順位から理解できますが、ネバタ州のジョイスティック・ソルジャーが上官がやっとの思いで取り付けた「撃て!」の指示を即実行せずこじらせたのは疑問。スタンリー・キューブリック監督作品に出てくるようなハートマン鬼軍曹の居る【海兵隊】のブートキャンプに入っていただきたい。

◆総括
・この映画のMVPは
MI6のエージェント。バケツを買い占め売り子を偽装してドローン操作、パン売りの少女の避難誘導など全てが即断即決で行動に抜かりがない。
一番危険な現場の功労者でした。

ーアラン・リックマンを偲ぶー

-2020年 57本目-