エイデン

貞子vs伽椰子のエイデンのネタバレレビュー・内容・結末

貞子vs伽椰子(2016年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

女子大生の有里と夏美は、都市伝説を研究している森繁の講義を退屈そうに聞いていた
森繁は、口裂け女やトイレの花子さん、足を踏み入れると死んでしまう“呪いの家”など、様々な都市伝説がある中で、観ると死んでしまう“呪いのビデオ”だけは本物ではないかと考えているという
呪いのビデオとは90年代末に知られるようになった都市伝説で、観ると“貞子”という怨霊から電話がかかり2日後に死ぬと予言され、その通りに死んでしまうというもの
呪いのビデオに高い関心を持つ森繁は、もし呪いのビデオを持っている人がいれば高く買うと言って、学生たちを笑わせるのだった
その後 有里は夏美から、2日後の両親の結婚記念日に合わせて、結婚式の様子を映したビデオをDVDにダビングしてもらえないかと頼まれる
帰り道 リサイクルショップに寄った2人は、ダビングのためにビデオデッキを購入するが、そのビデオデッキには長い髪の毛が貼り付いており、それを見つけた有里は戦慄
その後 有里の自宅で早速作業を始めようと、結局 購入したビデオデッキの電源を入れると、中から古びたビデオテープが出てくる
有里は面白半分に観てみようと言ってテープを再生するが、ちょうどスマホに連絡があり、それを見ているうちに再生が終わってしまう
その間に映像を観た夏美は恐怖し、これは呪いのビデオじゃないかと訴える
その言葉通りに夏美のスマホには非通知の電話がかかり、勝手にスマホが応答すると、不気味な音と共に部屋の電気が一斉に不調をきたす
その最中 夏美は長髪で白い服の女性の姿を目撃するのだった
翌日 リサイクルショップに向かった2人は、もともとの持ち主の老人やその様子を見に来た民生委員も死に、2日前にビデオを観たというアルバイトも店で亡くなっていたと知る
ビデオは本物の呪いのビデオだと確信を強めた2人は、森繁に相談することを決めるのだった
一方、両親と共に郊外の住宅地へ引っ越してきた女子高生の鈴花は、向かいにある使われていない家が異様な雰囲気を漂わせていることに気が付く
どこかその家が気になって仕方がない鈴花は、その家の中にいる恐ろしげな夢まで見るように
翌日 登校した鈴花は、クラスメイトからその家が呪いの家だと教えられる
夫が妻“伽椰子”と息子を殺して自殺したという曰く付きの家で、その後 家に入った人は死んでしまっているのだという
やがて鈴花も呪いの家に魅入られていき、とうとうその家に足を踏み入れてしまうが・・・



ジャパニーズ・ホラーの代表作『リング』シリーズと、『呪怨』シリーズのクロスオーバー作品

ふわりとした構想からエイプリルフール企画を経て、夢の企画が遂に実現した
先達の『フレディvsジェイソン』、『エイリアンvsプレデター』シリーズで観られたような殺人鬼や異星人ではなくて、呪いのビデオと呪いの家、山村貞子と佐伯伽椰子という呪い、悪霊というスピリチュアルな存在をどう組み合わせるのかはかなり疑問だったけど、いざ蓋を開けるとちゃんと両者のバランスを取りつつバトルしてるお祭り映画になってた

肝心のストーリー的には自ら監督に立候補した白石晃士監督の持ち味が存分に活かされ、噂話をベースにそれぞれの呪いに巻き込まれていく2組の主人公を描く
そしてその2組を繋ぐのが、白石晃士監督のシリーズではお馴染みのクセ強霊媒師で、「バケモンにはバケモンをぶつけんだよ」という謎の対消滅理論で呪いを解こうとして貞子と伽椰子の2大怨霊バトルが始まる
は???

そんなネタっぽい脚本の力技具合に対して、貞子と伽椰子の恐怖は丁寧に描かれてるのでファンとして満足度も高い
そして肝心のvs要素も充実
尺としては短めだけど、ジェイソンにキレッキレの蹴りをかましてるフレディとか、エイリアンをジャイアントスイングするプレデターを観た時のような、コラボならではの豪華さを感じるカタルシスもある

企画としてはかなりネタだけど、かなり丁寧かつチャレンジングな内容なので、個人的には概ね好意的
日本映画ではなかなか感じられないブッ飛んだ作品になってるので観ましょう
エイデン

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