GODZILLASAURUS

貞子vs伽椰子のGODZILLASAURUSのレビュー・感想・評価

貞子vs伽椰子(2016年製作の映画)
4.0
「リスペクトとシュールのバランス」

ネタバレあり


リングも呪怨も好きな作品でそれらの関連作品も評判悪いながらほとんど観てきたが、まさかのクロスオーバー作品の本作はなかなか手が伸びず、やっと観た。

正直、想像より面白かったw
内容的には、エイリアンvsプレデター、ジェイソンvsフレディと大きくは変わらず。お祭り作品。
作品中のセリフにも出てくるが、人の手に負えないバケモノにはバケモノをぶつけるしかない、というVSクロスオーバーの常套手段。
それでも面白かったのは、両作品のオリジナルへのリスペクトがしっかりしていたことと、それがあるからシュールな画も上手く笑い?に昇華できていた気がする。

貞子3D以降、最強の霊能力者だった山村貞子は、その強大な霊能力を駆使した呪いで人を殺すというよりも、ふわっと井戸から登場して物理攻撃で相手を殺すという残念なキャラに成り下がっているが、本作の貞子はビデオ内の姿や登場した姿、ビデオ見たものへの呪いの力、動きなどもオリジナルに近いものだった。貞子は基本あれぐらいゆっくり動かないと良さがでない。
かたや伽椰子も最近は俊雄に食われ気味だったが、本作ではしっかりオリジナルと同じく俊雄より活躍し、階段から降りてきて覆い被さる姿もオリジナルに近くて良かった。家の外にはほとんど出て行かない、引きこもり伽椰子が理想。

オリジナルへのリスペクトを含め、貞子と伽椰子を登場させるタイミングや見せ方が上手かったので、伽椰子の家で初めてのご対面から同じカットに2人が移るとなんとも言えないシュールな画になるが、チープにならず絶妙な笑いにつながったのではないかな。

伽椰子の家がオリジナルと違うのは残念だった。
貞子の髪の毛攻撃も、もう普通のことなのかな? 個人的には髪の毛攻撃はなんか雑な攻撃に見えてしまう。
ラストの井戸に来てからは少し端折り気味で、2人の見せかたや動きもかなり雑に感じたのは、それまでが良かっただけに悪い方に目立った。

効果音などの音作りはサラウンド効果も高くて良かった。背後から伽椰子の声がして画面から貞子の耳鳴りとか。
エンドロールの聖飢魔IIも良いw

ホラーには素敵な美女が必須だが、山本美月と玉城ティナが素敵で良かった。
そして何より佐津川愛美の顔の演技が本作でも流石の一言。佐津川さんは表情で魅せることのできる俳優さんだと思っているので、表情で恐怖や怯えを上手く表現しなければいけないホラー向きかもしれない。
基本的にどの俳優さんも良かったが、安藤政信のパートナー役の子役女の子の演技だけが浮いていてずっと気になって集中力をやや削がれてしまった。あの棒読みセリフはわざと?

最終的には、混ぜるな危険! 
結局バケモノとバケモノをぶつけ合ってもお互いの良さを高めてしまうだけ。
最後にできたモノVSプレデリアンはいかがでしょう? 星4.0
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