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君の名は。のnagarebosiのレビュー・感想・評価

君の名は。(2016年製作の映画)
4.8
素直に良い映画。
素直に感動しました!

公開前から宣伝していて「そんなに宣伝してるなら」と何気無く公開2日目に劇場で観た時「これはヒットするだろうな」、そう確信するほど直球エンターテイメントの作りだったので驚きでした。
新海監督の名は知っていましたが「秒速5センチメートル」は5分で脱落したほど、詩的な映像とナレーションが岩井俊二作品に似た印象で、それが苦手な私には本作を観るまでは少なからず不安がありました。
その予想を見事に裏切り、親しみやすい台詞やキャラクター、前半30分ほどはアップテンポに、中盤はじっくりとキャラクターの内面を描き、後半はダイナミックに、とテンポよく進む展開はその作品世界にあっという間にのめり込んでしまいました。
精緻に描かれた背景とキャラクターの微細な動きは「ここまでアニメーションで描けるのか!?」と素直に驚きました。
俳優さんが声優をやると、どうしても違和感を感じてしまうのですが本作と次作「天気の子」は全く感じないほどピタリとはまり演技力も巧かったです。特に後半の初めて出会った後の感情には切なく、オジサンながら涙を溜めてしまいました。同じくラストでも涙が溢れたのは言うまでもありません。
RADWINPSを知らなかった私ですが、これほど作品世界と見事にマッチしつつキャッチーなメロディラインの「前前々世」他の曲も相性が良く、暫く動画サイトで聴いていたほど。
入れ替わり、時間軸などのそれこそ使いふるしたモチーフで、誰もが経験する高校生の頃の多感な気持ち・感情をビビッド且つユーモアを交えながらも "人が人を愛する気持ち" を見事に描きつつオールラウンドの観客に向けて作り、誰でも胸に残る作品にした監督に拍手!