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君の名は。の346のレビュー・感想・評価

君の名は。(2016年製作の映画)
3.0
うーん、何も書く気がおきなくて、放置してたけど。うーん。

あのオープンニングで、伏線張るのはどうなのかな。あそこまで情報を羅列して、あとから使いますよー。は、後半への説明を減らす苦肉の策なんだろうけど。あまりに雑ではないかなぁ。物語の整合性なんてどうでもいい!みたいな勢いだけの話ならいいけど、しっかり時間物のSFやってるなら、そういう仕掛けや、説明の仕方にこだわるべきだと思うけどなぁ。

何より一番引っかかったのは、あの時間に追われているクライマックスのあの流れで、あの場所に行くのはどーーーしてもおかしい!いやあのシーン自体はとっても必要なのもわかる。だからこそ!あそこに向かう理由が欲しかった。すべての手立てを失ったから、縋るようにあそこ向うというなら弱い。目的を忘れて会いたいだけだと言うなら馬鹿だ。だって、すべては不確かなのだから、あそこに向かう時間がすべて無駄になる可能性もあるわけで。だからこそ、そこに理由が欲しかった。


後から、岡田斗司夫の分析を聞いてなるほど!と納得したとこはあった。これは劇中では説明してないし、本当かどうかは知らないけど、まだ観てない人は逆に意識して観たほうがいいんじゃないかと思うから書くけど、あの父も母も入れ替わりを経験してるらしい。だからこそ、入れ替わりを経験してるおばあちゃんと父は、違いに気づけたし、その違和感が父の行動に繋がっているのか…。と、まぁ、だからといって、あの場所に行けばどうにかなるという確信が、どこからわいたのかは疑問だけど。

それなら父と母の物語を、もう少し活かせばドラマに深みが出たし、SF的説明もうまくいったと思うけど、そのぶん尺も長くなるし、大勢の観客を動員するためにそこを削ったのかなぁ。

んー。岡田斗司夫の感想を聞いて、なるほどロマンチックな物語かもしれないと思いなおしたけど、やっぱりラブストーリーとして、胸が苦しくなるような一瞬を感じることはなかったかなぁ。全部をやろうとして、全部があやふやになっちゃったって映画。深読みさせようとしてるけど、その深読みに必要な、とっかかりもあまりないから、スクリーンと観客の間の掛け合いもなくて、感動しそうな雰囲気だけで出来上がってる気がする。と、こんなことを言ってるのは、ただ単に自分がワガママなだけなような気もしてきたから、ちょっともう何か正解かわかりません。

ただ個人的は好みを言わせてもらうなら、この映画は二人の日常を描きすぎたんじゃないかな。メインを男の子の学生生活と、女の子に入れ替わってしまった男の子の学生生活だけで描けば、もう少し上手くいった気がするんだけど…。だって「君の名は」というタイトルは、恋愛におけるすれ違いのネガティブなイメージや、行動を起こすというポジティブなイメージを包括したものだと思うのに、そのタイトルと合致しなすぎてなんか悔しい。

これなら秒速5センチメートルの一章のほうが切なかった。
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