ひろぽん

何者のひろぽんのレビュー・感想・評価

何者(2016年製作の映画)
3.3
経験、人脈、ツールを駆使して就職活動に奮闘する5人の若者が、ひょんなことから定期的に集まって就活対策で情報交換をするようになった。彼らは自分が何者なのか、何者になりたいのかを模索する。そんな悩み多き時間を過ごす中、1人に内定が出た頃から5人の関係性が徐々に変化していく…


“就活”を題材にしたテーマで、悪い意味での人間臭さが全面的に出ているから、現在就活中の人は何があっても絶対に観てはいけない作品だと思う。だが、リアルに作られているので参考になる部分も多いというジレンマ。

前半とは打って変わって後半がホラー映画を観ているかのような怖さを感じた。話が進むにつれ彼らが表面的な付き合いしかせず、SNSでしか本音を話さない雰囲気が気分を害するほどとても気持ち悪い。


“頭の中にあるうちはいつだって、何だって傑作なんだよな”という台詞が印象的。
間違いなくその通りで、それを行動に移せる人が本物。


タクトは他人を分析する力には周囲から言われるように長けているのに、自分自身を全く分析できておらず何者なのかすらも分かってないというのが面白い。何者かになろうという他人を見下し蔑み、必死に自分を保とうとしている姿が滑稽で仕方なかった。

*✩考察
ギンジと隆良は似てるか、似てないか?
という論争も面白い。タクトと理香には似ているように見えて、サワ先輩は似てないという。ギンジと隆良は2人とも就活しない事や、名刺のデザインなどの美的感覚は似ているが全然違う。同じように見えて、ギンジは夢に向かって努力し周りから批判されようが挑戦しているが、隆良は就活や企業にネガティブなイメージを持って夢や目標もないのに御託を並べ就活を批判していて薄っぺらく中身がない。周囲に流されたり、隠れて就活しているなど芯のない言動が目立つ。それをサワ先輩は瞬時に見抜いたのだと思う。ギンジがタクトに似ているとサワ先輩は言ったが、自分には隆良に似ているように感じた。まだタクトに期待していて、そう言う優しさを感じる。

自分のやりたい事や素直な気持ちに正直に向き合えていたらギンジに、夢を追いかけ失敗した時のダサさを恐れて他人を批判したままだったら隆良に似るのだろう。

出演しているキャストは豪華だし、全員好きだから個人的にはとても嬉しい。ジャケ写6等分されてるけど、観終わったあとにもう一度見てみると半分に分割されているように見える!菅田将暉は歌手デビューする前のライブシーンが新鮮。普通に上手い。

これみた当時就活が怖かった。1分間で何を表現できるのか。就活への皮肉シーンかな?

毒とビスケット☠️🍪
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