シーバゲッジ

何者のシーバゲッジのレビュー・感想・評価

何者(2016年製作の映画)
3.5
年を重ねるごとに「理想の自分」と「現実の自分」は乖離が生じ、自分の能力やその限界も見え始める。
「就活」の為に集まった大学5年生の5人は、それぞれの武器を駆使し、思いや悩みをSNS上に吐き出しながらもなんとか就活に食らいつく。が、1人が内定をもらったことを皮切りに徐々に人間関係は変化していきそれまで目を逸らしていた自分と向き合うことになる。

拓人(佐藤健)の信念を持ってやりたい事を頑張っているかつての仲間や、自分に無いものを持っている友人へ妬み嫉み、若い頃特有(だと僕は思っている)の冷めた視線が今の自分にずきずき突き刺さった。
「就活」は誰のため、何のためにやるのか?高い倍率を勝ち抜いたその先には何が待っていて『何者』になれるのか?観賞後に自分の深い部分と向き合ってそんな事を考えさせられる作品であった。
「就活」と「SNS」と言う大きな本作のテーマを終盤で『舞台劇』を媒介して表現する演出が面白かった。
今観ていて良かったと思う。