タイトルのダサさと北欧の刑事ものってところがずっと気にはなってた。シリーズ化されてるくらいだから、きっと人気があるのだろうと。アマプラに1作目以外の3作品がリストアップされてたので試しに観てみた。
ああ、なるほど。これはイメージ通りの絵だわ。晴れててもどんより曇ってるような、緯度の高い空気。以前見た「湿地」とも通ずる見た目の地味さが、ハリウッド産の派手な演出に慣れた目にはなかなか新鮮だ。シリーズ2作目だからかキャラ紹介的なものはなく、すぐさま本題に入るところもよし。
しかし、肝心の話がなあ。金持ちのあほボンが親の財力・権力をかさにやりたい放題。いじめから始まり、レイプやリンチを経て、ついには殺人。だが持てる者の特権で捕まることなく、今では権力者に…って、日本のドラマでお馴染みのパターンじゃん。散々見てきた定番ネタなので、意外性はカケラもない。思った通りに話は進み、思った通りに幕をおろした。
自分を追い込んで真実を追う苦虫を噛み潰したような顔の破滅型刑事もありがち。正直、目新しさや斬新なアイデアはないのだが、低い彩度と重い空気感はクセになる。カールとアサドのコンビも角のない凸凹コンビって感じで、見てて飽きない。無理のない設定がほどよくて、つい応援したくなる。
原作を読んでみたいとまでは思わないが、映画は全エピソードを制覇したいほどには興味を持った。