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函館珈琲のyayuyoのレビュー・感想・評価

函館珈琲(2016年製作の映画)
3.5
北海道といえば札幌しか行った事ないので(しかも修学旅行、確か雪まつりの次の週だった)、
函館と言われても正直あまりピンと来なかったりする。
ああ、観光地として有名な所だよね、
五稜郭がある所だよね…
こんな感じ。

だから、まず映画を見てすごく異国情緒溢れる港町なのだという事を知ってびっくり。
もっとも、この「異国情緒溢れる」というのは作中でも突っ込まれていたように、
ガイドブックに書いてあるような事。
自分なりの函館を探さないとね、
という言葉は主人公が自分の人生について悩み、葛藤し、
今後の自分を模索しなければならない今の状況にぴったりとリンクするし、
それに呼応するかの様に翡翠館の住民も一人一人小さな一歩を踏み出して行く。

蔵にひっそり置かれた壊れたバイク。
直接的な心情の変化は描かれないものの、
このバイクが主人公の心を暗示していて上手いな、と思う。
珈琲の様にほろ苦く、香り立つような群像劇。
この映画の空気感、好きかもしれない。
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