せーや

神様メールのせーやのレビュー・感想・評価

神様メール(2015年製作の映画)
3.8
「何で神様は私たちを救ってくれないの?」
「それはね、痛めつけた方が面白いからだよ」

神様はブリュッセルの高層マンションに住んでいる。
女神の妻と娘には厳しく、息子のイエスは家出した。
神がコンピュータで人間に憂さ晴らしをしていることに我慢できなくなった娘エアは
人間の世界に降りることを決意する。

遠い昔、退屈した神は自分に似せた姿の人間をつくり
自分の好きなように操り、ストレスを解消していた。
しかし娘が勝手に人間に余命をメールで送ってしまったため
人間は神の思い通りには動かなくなってしまう。

とても面白い設定だし
よくこんなアイディア出てくるなあと感心。

中盤のエアが使徒を探すあたりはダラけましたが
最初と最後はとてもよく出来ているんじゃないかと。

神の娘エアが「最新」約聖書をつくるために
初めて人間と触れ合い、6人の使徒を探す。
聖書がベースになっているため、
その辺の予備知識があると、なお楽しめるのかも。

キリストをJCと呼ぶあたりはとても好きです。

特に神様が人間界に降り立ってからはブラック全開。
そりゃあ「俺は神だ」とか言ってるやつは頭おかしいもんね。
でもちょっと、神の仕事に憧れてしまいます(笑)。

一方、娘エアは最新約聖書を製作する中で
「人間」について学んでいく。

人間は自分の寿命を知らないことで
毎日を無駄に生きることが出来ているし
何の意味もないことができる。

でも自分の寿命を知ったとたん
彼らは必死に毎日を生き、意味のある人生を送ろうとする。

いわゆる「天命」を知ることで
神の必要性は全くなくなってしまう。

エアが見つける6人の使徒のくだりは
いまひとつパッとしませんでしたが
どの人も、人生を空虚に生きてきた人ばかり。
そんな彼らが寿命を知って、人生を変えようとする。

寿命は知らない方がいいとよく言いますが
もしかしたら、知った方が
人は人生を有意義に過ごせるのかもしれない。
もちろん、落胆してしまう人もいるだろうけど。

神がいると、人間は堕落する?

できれば敬虔なクリスチャンに見せて
その反応を見たい映画です。
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