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殺人容疑者のchiyoのレビュー・感想・評価

殺人容疑者(1952年製作の映画)
4.0
2016/7/27
前半は当時の鑑識技術を紹介するドキュメンタリータッチのような作り、後半は手に汗握る刑事たちによる犯人追跡劇。途中で監督が変わったせいか、前半と後半でガラリと作風が変わるけれど、意外にそれが巧いことハマっている。そして、本作がデビュー作となる、丹波哲郎の確固たる存在感!端正な顔立ち、異彩を放つ目力、この頃から丹波哲郎は丹波哲郎だったんだなぁ、としみじみ思う。ただ、彼ら一味が起こす犯罪は、あまりにも稚拙だけれど(笑)。それでも、それを補って余りある後半の追跡劇、特に下水溝のシーンは観ている側まで身動きが出来ないような緊迫感に包まれる。流れる川の音、水面に映る影、トンネルの暗闇、その全てをただただ息を潜めて見守るばかり。それにしても、若手刑事が個人的に好みだったのに、何回教えてもらっても俳優の名前が覚えられない。下水溝で誰よりも丹波哲郎を追い詰めてた、あの人です。
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