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ゴダールの探偵のharunomaのレビュー・感想・評価

ゴダールの探偵(1985年製作の映画)
4.1
大雨ノアため、ジャン・ブリカールの道程は見に行けなかった。
あの心地よいまでの痛快な轟音とどこまでも続く疾走する河、樹木の風景、水の娘、ピクニック、おそらく原風景とはこのような音のない記憶のなかにある。
今年はストローブ=ユイレ特集はやらないのだろうか。
表現の自由ではなく、印象の自由。
ゴダールの断絶とは、クロースアップからの引き画でもあり、
しかし捉えられた瞬間と部分は、宇宙のちょっとした生成に関わる程、単なるイメージでありかつ絶対である。
ああ映画だ、このショットの持続と切り替わる瞬間こそが、なによりも声と喧騒が。
生足でも上半身でも顔でも手でも髪でも、身振りがすべて、奇跡的に生々しいとは、なんだろうか。リアルVR。
すべての音型がバッハに近いと言うべきなのだ。
映画はほとんど音楽だ。音楽だけがシーンの感情を作っている。サイレント期からそれはそうで、すべからく画面とは音楽の小休止となる。
クラリネットのジュリー・デルピーとおっぱいとボクシングに最後はベッド、接続の配置が素晴らしい。
そしてやけに共同体が淫靡だ、プリミティブと言った方がいいか。
コスプレはお手の物レオーがフレーム外で叫び仕事をしているのがいい。笛を吹く少女のデビュー。
通り過ぎたものども。スローモーションのビデオ。JVC
それにしてもナタリー・バイは『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』(2002) の母親ではないか、もうそれだけで素晴らしい。ポーラ・アバグネイル。
まだ14分しか見れていないが、素晴らしい。
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