サクッと短時間で観られるサスペンスを求めてみたら、これは…⁉︎
クリス(ジョナサン・ハワード)は2年ぶりに故郷のイギリスからパリへと戻る。迎えてくれた友人のリュック(ジョナサン・トマルジェ)とパーティで飲み明かした後、タクシーへと乗り込む。無愛想な運転手を揶揄うリュックは調子に乗って料金を払わずに逃げ出し、仕方なくクリスもそれに付き合ってしまう。ところが、どこへ逃げてもそのタクシー運転手は2人を追ってくる。
みなさんレビューで書かれてますが、前半の雰囲気とはうってかわってラスト15分はポカンとするような予想の遥か斜め上を行く展開に圧倒されてしまう。
B級感のある作品だけど、タクシーと運転手の見せ方がめちゃくちゃ上手くて、本当に最後のほうまで運転手の正体も目的も分からないのでとにかく不気味。
運転手の顔がわからない演出は『激突!』を参考にしてるのか、エンジンを唸らせて走るイカつい黒セダンのタクシーはさながら生き物のよう。
遠くから猛スピードで追ってきたり、品定めするように周りを旋回する姿なんかはサメにも見えてくる。
かと思いきやタクシーから降りてきた運転手自体もめちゃくちゃ強くて笑っちゃった。『Mr.ノーバディ』とか『イコライザー』『ジョン・ウィック』系の絶対に怒らせちゃいけないヤバい人怒らせちゃいましたタイプの展開で、チンピラや悪徳警官など(裏金を受け取らなかった刑事は殺さなかったところがミソ)をとにかくブッ殺す。突然のスプラッターに目も覚める。
主人公の元カノで、主人公の友達の今カノのリュティヴィーヌ(ファニー・ヴァレット)のキャラとしての使い方が絶妙で、主人公と友人が2年前になにか問題を起こして罪悪感を背負っているという匂わせも結構上手い。
一見イタズラ心の生んだ自業自得かと思いきや、もっとヘヴィな因果応報まで話がブッ飛ぶところは予測不能すぎた。
まぁこれはこれでありだね。
ジャパニーズなアニメーションがクールだった。
"踏み倒しは許されない。負債は必ず返済される"
"償うためにそれを正すのだ"