まさなつ

湾生回家のまさなつのレビュー・感想・評価

湾生回家(2015年製作の映画)
3.5
「湾生」という言葉を初めて知りました。

日本がまだまだ貧しかった頃、他国への移住を進め、多くの方が新天地へ行きました。満州やハワイやアメリカ本社や、遠くはブラジルなどは、これまでも話を聞いたことありますが、台湾への移住者のことは知りませんでした。
そこで生まれた方々を「湾生」と言うそうです。
他国への移住者の場合は、その苦難の歴史がクローズアップされることが多いのですが、この映画では、そこにはあまり触れられず、湾生の方々の、台湾=故郷への望郷の念が綴られます。それは、この作品が、日本人を扱いながらも台湾映画であることが、少なからず影響しているのかも知れません?

台湾で養子に出され、今も台湾で暮らすおばあさんの子や孫たちが、日本へ 生みの親のことを調べに行き、訪ね歩いて墓や戸籍謄本を見つけて、病床のおばあさんに結果報告するエピソードが、一番のクライマックスに見え、泣けました。

私自身、知らなかった歴史がここにありました。このような歴史の生き証人の方々の高齢化が進み、生きた話を聞ける時間はもうあまり残されてはいないことを、改めて感じます。
まさなつ

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