KOUSAKA

すけべてんこもりのKOUSAKAのネタバレレビュー・内容・結末

すけべてんこもり(1995年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

国立映画アーカイブの企画上映『1990年代日本映画――躍動する個の時代』の「佐野和宏/瀬々敬久プログラム」にて鑑賞。

現在は『End of The World』というカッコいいタイトルになっているようで、これは元々の脚本タイトルらしいです。

いや~しかし若かりし頃の川瀬陽太、めちゃくちゃイケメンでビックリ‼️ちょっと奥田民生みたいな感じもあるし。

キャリアの原点といえる瀬々敬久監督の初期ピンク映画は、今作が初めての鑑賞でしたが、まず三宅島のロケ地としてのパワーがすごかったです。大地から迸るエネルギーと、人間の野性味溢れる本能とのぶつかり合いが、今作最大の見所だと思います。

里子を受け入れ育てた母親の女性が、なぜ川瀬陽太や刑事のオッサンを受け入れたのかはストーリー的にイマイチ謎でしたが、そんなことに理由や文脈は要らないんだと思わせるほど、人間の動物的な本能がむき出しになっていました。

ずっとカゴの中に入れて一緒に持ち歩いていた鶏に火を放ち、そのまま火だるまになって崖から落ちていくという、今なら絶対にできない衝撃的なシーンには、思わず「うわっ」と声が出てしまうほど驚きました😵

そんな動物的な野性味に溢れる作品だからこそ、最後に川瀬陽太が「オレは何のために生まれてきたんだ、何のために生きてるんだ、何のために死ぬんだ」と、人間の存在意義を問う哲学的なセリフがグッときました🤔

そのあとダァーッと全力疾走で丘を駆け下り、生命の起源である「海」で泳いでいる正面ショットでラストを迎えるという終盤の流れが本当に秀逸でした。そしてスクリーンには「Start From End Of The World」の文字。

川瀬陽太の両手両足全身で表現するエネルギッシュな演技に、最初から最後まで釘付け👏のちに瀬々監督作品の常連俳優になるのも、今作を見るとよ~く分かります。
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