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カモとねぎのotomisanのレビュー・感想・評価

カモとねぎ(1968年製作の映画)
4.0
 カモもただでは葱なんか背負わない。その背負わない葱をカモに背負わせるのがサギ師の腕の見せ所。此度の鴨葱団の大一番は石鹸会社。このカモ、工場廃液は垂れ流すわベーグンのナパームで儲けるわの自称アウシュビッツ会社。何ともあくどい自己認識だがこれで鴨葱団もとっちめ甲斐が増すというもの。
 ハレンチ会長を攫って米国の諜報機関を騙って、恐喝にひとたび失敗した鴨葱団に機密書類買戻しの解決金を払いたまえと迫る。ハレンチビジネスも外圧には弱いというからかい倒しに泣けてくる。そこがアメリカがくしゃみすりゃあ日本が風邪をひく関係の辛いところだ。
 で、成果のほどはというと、雲霧一味とは程遠い鴨葱のこと、そもそも緑魔子にはカモられるわ、此度は子分らにも裏切られるわ、挙句に頓馬な仕掛けでコケにした青少年健全化の山岡女史に足を掬われるわで遂にお縄のご難続き。ところが、カモった魔子がなぜかの森団長に懐いて保釈金を積んでくれる。この先オジ様とふたりどうする?もっともその金が冒頭で魔子にパクられた鴨葱の稼ぎだったというわけで、なかなか悪銭は身につかない。これでも石鹸会社が握りつぶした廃液成分の鑑定書を大っぴらにしたりで、悪いとこばかりじゃないんだがね。
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