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カモとねぎのmitakosamaのレビュー・感想・評価

カモとねぎ(1968年製作の映画)
3.3
スカパーにて。谷口千吉監督らしい軽快なクライムコメディ。
詐欺師の4人が活躍。リーダーがダンディな森雅之。その子分にドスケベで軽薄な高島忠夫、オカマの砂塚英夫。この3人に緑魔子が仲間入りするという展開だ。ちょっとルパン3世一味な感じ。

冒頭、競艇場に浸水し目当て以外のボートのスクリューを破壊し八百長で設ける。
企画が森雅之で、実行部隊が高島・砂塚だ。でも緑魔子に売り上げを盗まれちゃう。
結局、緑魔子は仲間入り。詐欺活動で色々設ける。

凄いのが、ピンク映画に反対する婦人団体をギャフンと言わせるシーンだ。ネタとしては一番面白いが、当時もギリギリだったんじゃないか???
そもそもが逆恨みされた婦人団体がバサーの金を盗まれて、そのうえ教育ビデオと称されてエロ映画を見せられ警察に乗り込まれるという有様。(お高くとまった婦人会がピンク映像でモジモジするのが笑ける)

そして大型工場に目をつけ、不発弾騒ぎに乗じて金庫破りをする。
だがこの工場はベトナム戦争にかこつけた特需で潤っていて、公害に関しても市民を騙していたことが判る。ベトナムと公害というこの時代を象徴する事件に、義賊的に工場を追い詰め金をせしめる。

この映画の特殊な所は、最終的に悪銭身につかずな所だ。そしてニヒルな森雅之が緑魔子と結ばれるというオチも意外性があって面白い。最後にもう一ひねり欲しかった気もするが、こういうコメディはとても好みだ。
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