にゃんにゃん

主婦の体験レポート おんなの四畳半のにゃんにゃんのレビュー・感想・評価

3.0
深川の下町長屋(アパートとは呼びたくない)の群像劇。あっちの部屋でもこっちの部屋でもまぐわっていて、濡れ場が続くところはちょっと飽きる。川崎あかねさんを初めて拝見。なんかひとりだけ1950年代くらいの白黒映画の雰囲気をまとっている。あとはいつものロマンポルノの面子で安心感。殿山泰司の存在感はさすが。おしゃべりしたり喧嘩したりしながらひたすらわちゃわちゃする不動荘の皆様に武田一成っぽい人間愛がにじんでほのぼの。ただし武田一成初期作なので全体的にあんまりこなれていないようにも感じる。川崎あかねの成長譚というのがメインテーマなんだけど、住人のワンノブゼムであるはずの宮下順子が相当程度持っていってしまい、そこのエピソードだけ幻惑的に美しく浮いてしまうのがすごくアンバランス。もう少し宮下順子感を薄めるか、宮下順子を主人公にして「順子わななく」路線でいってほしかった。後者ならめっちゃ心を打つ名作になってたと思うけど、住人のわちゃわちゃ感は楽しめなかっただろうなぁ。深川の風景はとっても懐かしく美しい。
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