理想的な乳房をもつストリップ嬢（今陽子）に惚れ込んだ中年男（平田満）が、白黒ショーの相手を務めている男優（佐藤浩市）の代役として舞台に上がる。早坂暁の同名小説を映像化している、日活ロマンポルノ。
「ピンキーとキラーズ」のピンキーによる初脱ぎ作品。タイトルにある「蕾」とは、（たぶん）陥没乳首の暗喩。一般客の中年男が、理想的な陥没乳首をもつストリッパーを相手に、ジタバタ劇を繰り広げていく。
中年男が佐藤浩市に対して嫉妬と羨望の両方を向けていくドラマと、ストリッパーが本物の愛情を諭されるドラマが同時進行する。舞台上の振り付けがきちんと映像に収められており、陥没乳首に花をさしていく見世物ショーを拝むことができる。
本作は、女性の乳首に対して、最大の尊崇を向けている作品。男を蕩かす卑猥な突起であると同時に、赤子に栄養を与えるための神聖な部位でもあるということ。あがた森魚と緑魔子の「最后のダンス・ステップ」をBGMに使っているあたりもツボに入る。
