日本配給版のタイトル、ポスターを見れもらえば誰でも分かるのだが、このように日本の映画業界はどうしようもなく腐っており、本作のような素晴らしい作品を汚したその罪は重い。
フーシという人物描写もさることながら、無口でシャイな彼の心情描写として挿入されるアイスランドの風景がとても美しい。灰色の空や、霧で滲んだ光線、そのどれもが冷たく美しい。
フーシの直向きな態度に苛立ちを覚える人もいるかもしれないが、よく観察すれば彼ほどバイタリティに富み、行動力のある人はそういないということは分かる筈だ。
背景、音楽、カメラワーク、どれをとっても一級品である。どうかこのアホなポスターによって見逃されないように、みんなで高評価を付けよう。
素敵な映画に出会えたことに感謝したい。