FukiIkeda

ある戦争のFukiIkedaのレビュー・感想・評価

ある戦争(2015年製作の映画)
3.9
当たり前だけど、もやっと感がどうしても残る良作。
どの観点から観てもスッキリすることがない問題。これが戦争なんだと思う。
そもそもの正義がどこにあるのか、ということだ。
戦争に介入した時点で背負わなくてはならない責任、払わなくてはいけない犠牲。
誰のために何のために。そんな戦争の矛盾点が、すごく分かりやすく描かれていると思った。
例えば自衛隊が集団的自衛権で他国の戦争に介入したとき、こういった責任を誰かが負うことになる。そんな犠牲を誰かが本当に背負わなくてはならない状況にする必要が本当にあるのだろうか?
戦争の傷は肉体的な傷もだけど、本来は、自分の倫理観に反する事態が起きた時の心の傷の方が深く、それを失ってしまう事は人間である事を忘れてしまう事でもあるような…でも人は忘れるから戦争を起こすんだね。
撮り方も好き。
FukiIkeda

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