火曜日

ザ・ハロウ 侵蝕の火曜日のレビュー・感想・評価

ザ・ハロウ 侵蝕(2015年製作の映画)
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・環境破壊としての「侵略」に英愛問題を絡めている。英国から来た主人公は、自分達が「侵略」したのに「あいつらが家に入ってきた」「絶対出ていかない」と怒る。彼は地元のアイルランド人と話もしようとせず、バカにするわりに恐れている。
・おそらく30代の彼は(映画の舞台を2010年代とすると)ロンドンでIRAの爆弾闘争が激しい時期に幼少期を過ごしたはずでアイルランド人への恐怖があるだろう。
・エピグラフや劇中で登場する「侵略の書」は1150年編という設定だがイングランドのアイルランド侵攻は1170年。怪物になった主人公と妻子らしき絵が描かれているところからこの本は「予言書」的な位置付けだと推測され、1170年のアイルランド侵攻を予言したものとも考えられる。
・このように英愛問題を設定として仄めかしつつ作品自体の見せ場とテーマを家族愛に転換し設定はそこに資するように展開されており、アイルランドの怒りは英国人夫妻の愛に回収できることが示され、アイルランドはここでもバカにされているともいえる。
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