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太陽のめざめのペンギンのレビュー・感想・評価

太陽のめざめ(2015年製作の映画)
5.0
一人ひとり問題は抱えてる子供や親がら出てくるけれど、みんな悪い人ではなく上手く生きるのが苦手な人たち。手を差し伸べてくれる人がいればまっすぐに歩けるようになる。

カトリーヌ・ドヌーブは意志の強さや優しさがでていて素敵だった。マロニーの役の子とっても上手だったな。感情の制御ができない感じとか、ふとした時にでる感情の表現とかも。ふっと笑った時の顔が素敵だったな〜。マロニーは周りをよく見ててかつ優しすぎるからこそ、色んなことを踏み外してしまった面もあるなと感じた。多分本当に自分だけで他人はどうでもいいってタイプだったら、あんなにお母さんや弟のこと大切にしないし、6歳の時に一度見捨てられたにも関わらずそばにいたいと思うのは他人を愛せる子だからだな。
教育役の人も過去に自分も同じような道を進んできたからこそ、本気でマロニーに立ち直って欲しいと思ってるし、だからこそ感情的になってしまう。みんな一人ひとりが相手に対して本気で向き合ってる。

矯正施設も存在自体は知っていたし、映画通りとかではないのだけれど職員の人が子供一人一人にきちんと向き合ってかつ、いろんな状況があるというのも説明しているのがすごいなと思った。綺麗事で誤魔化すのではなく、本人たちが納得できなかったとしても会話をしようとしている。施設にいる子達も最初は仲悪かったり、ギスギスしてたりするけど長く共に生活していく中でお互いに成長して仲間になっていく仲間素敵だなと思いました。立ち直るための力をつける場所なんだね。

ラストにマロニーが判事に挨拶しにいくシーンは、判事の部屋から裁判所、事務所?を通り過ぎて太陽の当たる外へと進んでいく。最初の場面を逆行している作りになっていて、これから前を向いて進んでいく意志を感じさせられた。良いシーンだった。
あとお母さんが妊婦さんにマロニーが乱暴した時に本気で怒っていたのも良かった。中絶しようとしてるところを止めに行くマロニーも。それを見て微笑んだ先生も素敵だった。

明るく楽しい話とかではないけど、とても良い映画だった。
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