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太陽のめざめのhisaukのレビュー・感想・評価

太陽のめざめ(2015年製作の映画)
3.7
青少年裁判所の判事フローランス。
6歳の少年マロニーは母親に置き去りにされ保護される。

そしてマロニー17歳、同じくフローランスの元にいた。
マロニーは不良の道を歩んでいた。


マロニーが起こす暴力と犯罪を繰り返す。
判事であるフローランスは根気よく彼と向き合う貫禄のある姿はさすがカトリーヌ・ドヌーヴ。
マロニーの自分でもどうしていいかわからないイライラと、刃物の様な行動と目つき。
それがとても痛々しく感じる。
子供を愛してはいるが、上手く育てられない母親。
そんな母親でも恋しく思うマロニー。
どこにぶつけていいか分からない感情。

根気よく接するフローランスと教育係のヤンによって少しずつ落ち着く。
更生施設で出会った少女テスと恋に落ち、それがきっかけで愛を知る様になる。
愛を知らずに育った人間はやはり優しさ、思いやりが分からない。
テスがマロニーに言った「愛してる」の言葉に彼は頭を抱えてしまう。
彼の痛々しい病み方が観ていて苦しい。

しかしテスによって彼は変え難い宝物を授かる。

テスにも心からの「愛してる」を言えた。

大切に大切に宝物を胸に抱き、表情も穏やかなマロニー。

しかし、厳しい社会や現実はこれから。
世の中は甘く無い。

彼は大きな幸せを得たが、これからの人生をどの様に歩んでいくのか。

マロニー演じるロッド・パラド、素晴らしい俳優だと思った。
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