しゅへ

太陽のめざめのしゅへのレビュー・感想・評価

太陽のめざめ(2015年製作の映画)
4.0
あの頃の僕らは楽しかった。楽しいことは遊びだった。遊びは大人から悪いことと言われるようなことだった。

何かが足りなくて、何かが至らなくて、何かが苛立たせて、何かが眠らせなくて。何かを言葉にする学もない若き日々を思い返して、しみったれてんなあと安酒をシンクに捨てた。論理的に物事を考える余裕なんてないし、感情だけで言葉を紡ぐけど、自分が何を感じているのかすらよくわからない。だから全てを人のせいにしたくなるし、正義なんて言葉を使ってしまう。

お前が俺に何かしてくれたか、と大声で叫んで恥ずかしくないのかな。指咥えて小さなベッドに挟まってりゃあいいんだよ。Tシャツに厚手のコートを羽織り、立派な靴音を鳴らす。土の上を歩く感触を思い出そうとして失敗する。親の泣き声を聞いて間抜けな街に住むなら、度の合わない眼鏡を掛けて寂しい駅で降りたい。
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