まる

ダンケルクのまるのネタバレレビュー・内容・結末

ダンケルク(2017年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

す、すげぇ〜〜〜……

まず何より、1週間と1日と1時間という時間を同時進行で作るのがすごい
しかも時間差による温度差あんまり感じなかった
さすがクリストファー・ノーラン監督……
陸海空のそれぞれの主役が、ドーソンさんの船で運命が交わるというのも痺れた!
そして内容が辛い……
戦争の愚かさも、人間の汚い部分や清い部分も描かれてた

"同盟組んでるから、この中ではみんな平等だよ!"ではなく、同盟内でも扱いの差があった。イギリス人だけ、フランス人は後、この隊が優先など……
みんな生き残りたいけど誰か切り捨てないと全員死ぬという場面では、部外者を作り出すのね……。そしてその部外者を切り捨てる……。人間ってなんと醜い……。
そして基本が"撤退による勝利はない"なの、キツない……?
"自分はただ生き残っただけ、何も功績はない"みたいなの、あまりにも辛い……
生き残れたのに、仲間からも冷たい言葉ぶつけられるとか……

徹底的にドイツを悪者として描かれてるので、どうしても英仏側に気持ちが傾いてしまった
大型の船を空から沈めるとかまじで鬼畜で最悪やなと思った
だからこそ、そういうことしてくるドイツの飛行機が墜落した時、英仏側の熱気がすごかった。こういうことで士気が高まって団結力とかを生むんだろうな

ドーソンさん、まじで誇り高い人やな!!
"我々が戦争を始め、息子を戦場に送ってしまった"的なこと言ってて、これだけで責任感が伝わってきた。ここまで責任持てて他の人を助けに行ける人が果たしてどのくらいいるのか……
あと、防波堤の偉い人、最後フランスのために残ったの立派だと思った

運良く逃げれて船に引き上げてもらえても、今度はその船が沈められたり……
この船に引き上げてもらおうと泳いできたのに、目の前で船が沈められたり……
船の中が安全かと思いきや、魚雷に気付けないとか閉じ込められて逃げれなくなるとか、シビアだった
戦況が一瞬にして変わるから、戦場に安全な場所なんてないんやな……
あと、大型船が沈んだ時に海面に影っぽいのができて、それが重油で、飛行機の墜落によって火がついたら、水の中なのに燃えあがって……というのが恐ろしかった
それから、潮の流れが変わったことを知るシーンで、死体が戻ってくることがそれを知らせるというのが……まじかあ……キツいなあ……と思った

最後に駅に着くシーン、まさに杜甫の春望だった……「国破れて山河あり、城春にして草木深し」じゃん……

飛行機の最後の人、無事に着陸できてホッとした……
最後に期待を燃やしたのは何でやろう……?
あと、夕日を背負うシーンが美しかった
最後はドイツ軍に捕らえられた……?

主人公が新聞読んでたように、せっかく生き延びたのに戦争はまだまだ終わらないし、空軍の人は捕らえられるし、めでたしめでたしで終わらない感じがリアルで……
主人公、新聞読み上げてたけど全然浮かない顔しててもう……
もう戦争やめようや、敵なんかおらんねんて……そんなんしてる場合ちゃうて……と思った。
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