うみぼうず

ダンケルクのうみぼうずのレビュー・感想・評価

ダンケルク(2017年製作の映画)
4.0
なるほどノーランが戦争をテーマに映画にするとこうなるのか!予備知識なく観たので最初は混乱したが、1週間・1日・1時間が同時進行ではないという仕掛けが分かってくると、やはりというかさすがという感想。
そして全編に鳴り響く音楽が本作ではかなりキーだと思う。派手な戦闘シーンは無く、言ってみれば映画としては地味かもしれない。でもその緊迫感の演出に、ハンス・ジマーの音楽が不可欠。名も無き兵達の生きるためにもがく姿の納得度が上がる。

戦争には勝者や英雄はおらず、華々しいものではなく血生臭く泥臭いものであって、そうした不条理を表すのには撤退戦が適していたんだろうなぁ。敢えて英雄を作るならば、民間の漁船だろうし、そして死は誰しも突然襲いかかる。バリー・コーガンはもっとピックアップされているのかと思っていたが、ある種この作品では明確に英雄と呼ばれる稀有な存在だったか。

キリアン・マーフィーは物憂げな表現が似合うし、トム・ハーディーはかっこいい(ほぼマスクだけど)。そしてこれは大画面で大音響で観たいなぁ。
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