阿房門王仁太郎

ダンケルクの阿房門王仁太郎のレビュー・感想・評価

ダンケルク(2017年製作の映画)
4.0
 只管困難に雪崩れ込む撤退戦の息苦しさに呻吟しながらも戦闘機をこんな風に映せるのかと感心しっぱなしだった気がする。
この映画は長いダンケルク沖での撤退を続ける兵士と、対照に1時間という短期間の防衛任務に就くスピットファイアのパイロットとその中間の時間で小舟で救助に当たる船乗りたちのそれぞれの時間軸が独自に映されて行くのだが、その銘々の時間軸を統合する役割を戦闘機が担っているように感じられた。詰り、戦闘機が単なる機械ではなく、互いの時系列や概念を合致させる何かしらの偶像の様に感じられたのである。この様が特に強いのが終盤のあの滑空する様だろう。
 それぞれの異なった観想を持つ人間の意志が一致する一瞬としての飛行機を見るのが楽しかった。

https://twitter.com/R0noFIFdiKiJjA4/status/1659205347620569088?s=20
阿房門王仁太郎

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