戦争物でもその中で撤退戦を描くっていくのがノーランらしい。
陸海空それぞれの主人公が異なる時間からスタートさせて一瞬重なるっていうのはノーランとしてはわりとベタで混乱はしない。
「誰が死ぬかわからないようなサスペンスにしたかった」とノーランは語っていたけど、親子以外は正直感情移入する程の人物描写がいなかったので、例えやられたとしてもモブが倒れるような感覚。
ドイツ兵の姿を徹底して見せないようにして、撤退する兵士の中でも国籍に因んだりした露悪的な場面が多いのはリアルかもしれないけど、上記の感情移入はさらに希薄になるし、作品の面白さ自体には繋がってない。
沈みゆく船が浸水する場面だったり、スピットファイアのエンジン音なんかはこだわりを感じて良かったなぁ。
クリストファーノーラン好きにどの作品がベストか尋ねて、この作品を選ぶ人ってほぼ皆無なのでは…?