たくみ

ダンケルクのたくみのレビュー・感想・評価

ダンケルク(2017年製作の映画)
3.4
【ダンケルク・スピリット】
『オッペンハイマー』鑑賞後、史実を基にしているもう一つの作品である本作も観てみたいと思い鑑賞。
ノーランにしては観やすかった。(内容も上映時間も)
ただし、描かれている時間の長さが陸・海・空によってそれぞれ違う事だけは頭に入れておいた方が良いかなと思います。

ダンケルクの戦い(ダイナモ作戦)。正直知りませんでした。
高校時代も大学時代も世界史にどっぷりだった割にはまだまだ知らない事たくさんあるなと自分の知識の浅さに哀しくなりました。
民間の貨物船やら漁船が戦地に赴いて軍人を助けたというの事実という事にまず驚きです。

戦争映画にしては人は死なないしエグみもない。
ほとんどが海上なので直接弾丸が当たって死ぬ描写もなく、爆風で吹き飛ばされるシーンが多かった印象。
『オッペンハイマー』観てても感じましたが、直接的な描写を敢えて避けているような気がします。

つまるところノーランはリアルを描こうとはしていない。
真実を伝える事よりも、映画的に映えるパーツを集めて映像化する事を優先している気がします。
刻むようなBGMも緊張感を観客に植え付けてくるが、それもやはり映画としての演出なのでリアルではない。

監督のインタビュー読み漁りましたが、ノーランは観客に体験させたかったとのこと。
それならば、もっとリアルに映してほしかった。
主要メンバーが誰一人としてかすり傷すらなく生きて帰ってこれるのが戦争なのか。
そんなもんなのかと観た人が感じたら事実が曲解してしまう気がしてならないです。

死んでいくのもモブばかりなので命が軽い。
戦争って本当にこんなに生温いんだっけ?とモヤモヤが残りました。


【その他メモ・独り言】
・結構ノーラン作品鑑賞したから何となく手癖わかってきたぞ。
・映像や俳優のリッチさは言うまでもないです。
 トム・ハーディは顔が映っているシーン少ないのに最後にしっかり表情で演技してて素晴らしかったです。
たくみ

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