まず第二次世界大戦における「ダイナモ作戦」を知らないと結構厳しいと思う
相変わらずノーラン監督の作品は親切な説明がないので、見る側の観賞能力というか、引き出しに依存する部分は大きい
その弊害として、賛否は大きく分かれてしまいそうだ
自分はたまたま「ダイナモ作戦」を少しは理解していたので、大枠のストーリーはすぐ把握できたし、見るものに伝えたいテーマのいくつかは咀嚼できたと思う
ひとつの作品の中で「防波堤」「海」「空」と時間軸の違う3つのストーリーを盛りだくさんに堪能できる贅沢な構成だが、掘り下げるという意味では若干大味かもしれない
最後にもう一度書くが、「ダイナモ作戦」の背景をどこまで知っているかでこの作品の評価（というか単純な好き嫌い）は分かれると思う
戦争という史実は可能な限りありのままを捉えるべきであり、賛美（もしくはプロパガンダへの誘導に利用など）には嫌悪感を覚えるが、この作品を通して「ダイナモ作戦」という史実を知るきっかけになればいいと思う
