矢野竜子

ダンケルクの矢野竜子のレビュー・感想・評価

ダンケルク(2017年製作の映画)
4.1
オッペンハイマーが個人的に良かったので
こちらも改めて公開時以来見直してみたら
ある種、歪な変な映画で面白かった。
いきなり何かが舞っているシーンから
スタートするように過程等なく
いきなり映画は始まる。
以降も説明せずにひたすら行動で
前に前に突き進む感じが良くノレた。
ノーラン信者ではないので
作家性を考えたこともなかったけど
オッペンハイマー同様に
この監督は悉く場面場面を「割る」
ことが好きなようだ。
地上(のち海上)、海上、空と
シチュエーションを分けて
そこでもずっと上下シチュエーションを
作り出しレイヤーで割っていく。
本当にバカ丁寧なまでに上下をやるから凄い。
この偏執さは宮崎駿の紅の豚を超えてる。
その状況と上下レイヤーで細かくなったカットを
クロスカッティングやパラレル編集で細かく繋ぎ
時間や空間を歪ませるのが
この監督の特徴なのかもなと思った。
地上(のちに海上)は逃げる、
海上は救う、空は戦うという
それぞれの役割が
最終的に全員が地上に戻り英雄となる
あたりの分断と接続具合が上手いなあ
と思わされるなど。