ヌー

ダンケルクのヌーのレビュー・感想・評価

ダンケルク(2017年製作の映画)
3.9
日本人には馴染みが薄いが、世界的には名が知れている《ダンケルク》の戦いを描いた作品。
第二次世界大戦フランスにてドイツ軍に責め立てられて撤退を余儀なくされたイギリスフランス連合軍の話。要は撤退作戦の話である。およそ日本人においての撤退作戦と言えば、浅井朝倉に囲まれた織田軍のしんがりを秀吉が見事に務め上げて武功を立てた《姉川の戦い》が印象に残っている。今作はそれに近い撤退作戦の話し。
この映画を見るまでこの作戦の事は知らず、民間に呼びかけ個人の船で救出作戦を行うなどおよそ軍隊の常識に外れた、というより、女子供関係なく総力戦で挑むしかなかった緊迫した状況であったことを思い知らされる。
第二次世界大戦では、初めて知ったエピソードであることもあり、非常に興味深かった。同時に、最新のCGにより現実ではない世界を現実らしくリアルに表現している部分はさすがと感嘆した。特に飛行機による空中戦は見事だった。飛行機が打ち落とされ着水したり海に沈没して行く様子がリアルに再現されていた。
ストーリーの方も、複数の登場人物を主役にしたサイドストーリーで進行し、最後にすべてかけ合わさり1つの物語としてつながっていく様は、メメントの時代からクリストファーノーラン監督が得意とする手法。ここでも遺憾なく発揮されていた。
映像的にもストーリー的にも見る価値がある。
実際に戦争を経験していないので何とも言えないが、本当に戦争を経験した人にとってはリアルすぎてこの映画を見れないんじゃないかな思う。
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