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ダンケルクのるんPANのレビュー・感想・評価

ダンケルク(2017年製作の映画)
4.0
クリストファー・ノーランが第二次世界大戦を描くとこうなるんだって思った。今作はあくまでも連合国側からの視点で描かれているから、枢軸国側のノーランが描く第二次世界大戦も観てみたくなった。

まずなんと言っても音響効果がすごいしVFXはもちろんのこと、陸・海・空の3つの視点から描いている点がすごい。さらにそれだけじゃなくて、陸が1週間、海が1日、空が1時間でそれぞれの作戦を描いているから臨場感が凄まじいし、息をつく暇もないぐらい。

かと言って、チープな戦争映画でよくある派手なドンパチや戦いが続くわけではなく、むしろその攻防戦が描かれていて、どこに敵がいるのか、いつ攻撃してくるのかというのをキャストの息遣いとともに観客側も実際に現場にいるように感じる。

ただ、ノーラン監督が初めて描く第二次世界大戦ってことで期待しすぎたのか、観終わってからやや物足りなくも感じたし、もっと余韻を楽しみたかった(なぜか分からないけど1人だけ号泣してたけどね笑)

マーベル作品のようなヒーローものや、よくある戦争映画で活躍する主人公みたいな、表立った突出した英雄が出てくるわけでもなく、1人1人が主人公であって英雄なんて存在しないんじゃないのか。勝ったら英雄、負けたら敗者、そんなステレオタイプな考えはいらない。

そんな風に思える作品だった。
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