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天安門のUEのレビュー・感想・評価

天安門(1995年製作の映画)
4.0
190分の膨大な資料によるドキュメンタリー。天安門事件の発端〜終焉までを客観的で平等な視点で描かれているのがとても良かった。ハンストの司令官をやっていた紫玲が「学生達に我々の"流血"が必要なんて言えますか?」「私はブラックリストに載っているから政府に殺されたくない、生きたい」とか自己本位な事ばかり泣きながら訴えていたり、テントにいた学生達が戦車に押し潰されたと喋っていた。紫玲に共感出来る部分は無かったし、戦車で轢いたという確かな証拠は無かったと徳健は話していた。6月4日の後、「同胞よ、目覚めよ!打倒ファシスト!」と呼びかける紫玲は地下にいたし、その後は亡命したらしい。なんて無責任な…。民主化を唱えていたのにどうしてあの様な結末になってしまったのだろうか。後先考えずに、若さゆえの行動力で動いていた学生達は民主主義とは何かを今一度考えるべきだったと思うけど、もう取り返しの付かない域まで来ていたのだろうな。勢いとか流れとか周りの圧とか熱気とかって恐ろしい。
インタビューを受けた人それぞれの立場が違う事、対立していたという事がよく分かる。
当事者の話を聞いて、当時の映像を見て、誰の言葉を信じるのかは自分で決めて欲しい。
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