爆裂BOX

戦慄病棟の爆裂BOXのレビュー・感想・評価

戦慄病棟(2015年製作の映画)
3.5
「退院したい!退院したああああい!」のネタジャケットがちょこっとネットで話題を呼んだような呼ばなかったような「テキサス・チェーンソー」のマーカス・ニスベル監督によるオカルトスプラッタ・ホラーです。
かつて精神病や知的障害のある子供達が集められ、悪魔祓いや非人道的な実験が行われ多数の死者を出した元精神病院の廃墟。そこで若者達が盛大なパーティを開く。一夜明け、パトリックたちはふざけ半分で降霊術を行うも、パトリックの弟ロリーに悪霊が憑依してしまう、というストーリーです。
廃墟でふざけ半分で霊を呼び出した若者達が悪霊に襲われるというテンプレなオカルトホラーですが、序盤直ぐロリーに悪霊が憑依したりと結構テンポと勢いが良いですね。そこからパトリックの親代わりの神父を呼び出すも、逃げ出そうとしたバカが車ではねちゃったり、ネットで調べた悪魔祓いの方法素人連中が付け焼刃でやってみたり、ヴィジャボードで悪霊とコンタクトとって要求を聞き出そうとしたり、悪霊の正体や精神病院の秘密探ろうとしたりと飽きさせない様に色々と詰め込んでいるのは工夫感じられて良いですね。まあ、そのせいで弟が悪霊に取り憑かれててんやわんやな時に神父ひいちゃって弟ほったらかしで証拠隠滅しようとしたり、悪魔祓いの為聖水取りに行ったら神父が消えてて「警察に駆け込まれるかも!?ヤバイ!」って感じになったと思ったらそのまま悪魔祓い続行したりとはなしがあっちゃこっちゃ飛んで散漫でブツ切りな印象受ける所はありましたね。
後半では悪霊が他の仲間に乗り移って仲間同士で殺し合う「死霊のはらわた」のような展開になって両目に歯ブラシ突き刺したりボンベで頭叩き潰したり、鎌で顔面半分切り飛ばしたりとゴア描写も出て来て盛り上がってきます。終盤では悪霊の正体が判明したりする予想外なサスペンス展開も面白かったですね。最後のバトルは「X-MEN」みたいになるし(笑)ただ、見せ場が終盤に集中してて中盤辺りが見せ場に乏しくダレ場があるのは残念かな。
スティーヴン・ラングが神父役で出ており、登場時から胡散臭い雰囲気はなっており、終盤の展開では「やっぱりそういう役回りか…」と思わせてからのあの真実はちょっと意外でしたね。「パーソン・オブ・インタレスト」のファスコ役ケヴィン・チャップマンも出てますが最初誰かわからなかった(笑)
登場人物がバカすぎて感情移入はしづらかったですね。「聖水は?「神父の指水につければいいんじゃないか?」「ティーパックかよ!」の会話は頭悪すぎて最高だったけど(笑)主人公は常識ある感じだったけど、弟は縛り付けたりするだけだけど、他の仲間が悪霊に憑依されたら容赦ない攻撃加える薄情さもあります(笑)あのマッチョ男の最後は呆気にとられました。後、弟ロリーはシアーシャ・ローナン系統の美少年でしたね。
ネットで調べた悪魔祓いの方法で「嘔吐物を吐くことがあります」という説明や、意味なくスパイダーウォークで歩き回ったりする「エクソシスト」パロッた描写や、「悪魔なんているわけないだろ!」と笑い飛ばしてたマッチョが憑依された弟見て十字架持ってブルブル震えたりするコミカルな描写も楽しいですね。
評価が低いのもわかる所もありますが、テンポとノリよく後半はゴア描写も盛り込んであるので暇潰しには充分なる出来だと思います。