Myke

映画 聲の形のMykeのレビュー・感想・評価

映画 聲の形(2016年製作の映画)
3.8
「もっと話がしたかったんだ...君と。
たぶん....それだけ。」

“しょう”子と“しょう”也、同じ名前がある
二人だけれど、
ボタンの掛け違いのような二人。

将也のこのセリフが
この映画のテーマだと思いました。

それは、現代における、
対話力やコミュニケーション不足への警鐘でもあり、
人に対する思いやりとは、
ただ表面的に優しくすることではなくて、

もっともっと
相手の視点に立ち、相手の目となり、
相手の声を聞き、相手の声となっていくことが、
人としての本当の思いやりの一つであると思いました。

それは、
自分の視点や自分の声だけで、
相手のことを理解した気になり、
相手を勝手に判断し、解釈してしまうことは
傲慢であり、人として間違っているんだと、
この映画で気付かされました。


余談ですが、
いじめのシーンの曲やaikoさんのテーマ曲
はアンバランスな印象を抱きますが、
それこそこの映画のテーマと合っていたなと思いました。

そして、
日本三大アニメ制作会社との呼び声高い
京都アニメーション制作の映画だけに、
川沿いにかかる桜や、打ち上げ花火、
夕日と影のコントラスト等とても綺麗でした。


◯印象に残ったお芝居
・将也の小学生時代を、
女優の松岡茉優さんが演じられています。
声で子供の素直な感情を真っ直に表現されている
演技力が素晴らしかったです。 

・声優の早見沙織さんのお芝居。
聴覚障害者の方の話し方の特徴を
自分の中に取り込み、
すごく研究されているのだと思いました。
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