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映画 聲の形のvjcortaroのレビュー・感想・評価

映画 聲の形(2016年製作の映画)
4.5
原作未読。物語的には正義感のない人と性格の悪い人だけの田舎の学校で徹頭徹尾不快感と悲壮感で軽蔑MAX。不思議だったのは映画化が2016年で漫画化が2013年、舞台もたぶんその時代なんだけど、このバリアフリーの時代にこんなことある?ってことだった。だけど、原作者の『点と点で生きている人たち。遠く、離れ離れの小島のように生きている人たちを描きたくて、この物語を描きました。』ってコメントを読んで納得。人の想像力には限界がある。声は形がないなら分からない。そういう話なんだなと。
原作と比較しているサイトでカットされてる部分が散見されるが映画化にあたり冗長になりそうなので正解だと思いました。原作ありきの映画化とはそういうもの。物語の視点をシンプルにしたのもコンパクトで見やすい。
さて映画について。観終わってから京都アニメーションだと知ったけど、この会社は叙情的な映像体験が得意ですよね。幼少期の思い出から現在までを1秒24コマの中に詰め込んだりする。走馬灯ってこんな感じなのかな…ってロマンを感じる。顔を見られらるようになる描写とか効果音も相成りスーッと染み込む。母同士のやり取りで血の色もちゃんと赤いし、その前後に何があったかを推測させる小道具が丁寧。傘の使い方とか映像表現が神がかってる。
全体的に道徳の授業みたいな内容の作品だったけど、こういう作品が映像化されることで、たくさんの人の目に留まり、社会を動かす力を京アニに感じた。
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