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映画 聲の形のKHのレビュー・感想・評価

映画 聲の形(2016年製作の映画)
2.5
原作は未読だが、序盤から演出がピカイチ。原作でどのように表現されているか気になる。
「いじめた側」の視点で描かれた作品だけに、センシティブな内容でどちらに傾倒してもご都合主義になり、当事者を傷つけかねない難しいテーマに挑んだ原作に拍手。
いじめという過去が「した側」も「された側」も束縛され苦しみ、幾ら表面的に楽しく振舞っても、結局過去に支配され苦しむ地獄。これがこの作品で終始描かれており、また皆が変化している訳でもないというリアリティ。

気になってしまう点は、結局このようなテーマでは「いじめられた側」の赦しが全てになってしまう。この作品では所々に「泣けるシーン」が用意されており、その根底には西宮への健気さという眼差しがある気がしてしまい、泣いて良いのかという戸惑いが生まれた。また恋愛要素は少し陳腐な気がした。
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