そんなもんかどんなもんか

映画 聲の形のそんなもんかどんなもんかのレビュー・感想・評価

映画 聲の形(2016年製作の映画)
3.9
原作漫画が好きで、映画化された時はどんな仕上がりになるのか不安があった。
けど原作の良さをちゃんと込めて作られていて大きな不満もなく楽しめた。
少しわがままを言うなら最後の成人式シーン入れて欲しかった…まあ尺の問題がありますしね。仕方ありません。

声って確実に存在するけど目に見えないし、掴むとこもできないし、一度出したら消すこともできない。だからこそ一つ一つ言葉を大切にしなきゃいけないんだよな…と実感する。

原作でも思ったけど、普通自分をいじめた男を好きになるだろうか?自分も小学生の時に異性のクラスメイトにいじめとは言わないけど嫌がらせみたいなことをされて、いまだに覚えてて、だから地元になるべく帰りたくないし成人式も行かなかったんだわ…。

眼鏡の子。みんな嫌いよね。でもみんなあんなもんだよ。そういう点ではこの作品は本当に人間の描き方が上手い。感情移入しやすい。登場人物みんなのきもちが分かるし、共感できるし、こういうやつ周りにいたなーとも思える。

障害をもった児童への対応、本当に難しいと思う。最初はみんな献身的にサポートしてたよね。煩わしさとか手間を感じ始めて徐々にのけものにしていくグラデーションがリアル。
子供にボランティアを強要しちゃいけないよね。賃金もらってるわけでもないのに、子供なんて自分のことで精一杯なのに子供が子供の世話しなきゃいけないなんて大変よ。そんでもって世話を放棄したら冷たいやつだと思われるなんて理不尽だよなぁ。

だからこそ登場人物それぞれの行動の理由が明確で、見やすかった。
何度も見返す映画かと言われるとわからん。だったら原作漫画読み返すからな。
でも子供に見せてもいいと思った。子供に何かを感じ取って欲しい。そしてその心を大切にして欲しい。