ディアッカ

映画 聲の形のディアッカのネタバレレビュー・内容・結末

映画 聲の形(2016年製作の映画)
1.5

このレビューはネタバレを含みます

映像化失敗という一言に尽きる
原作は7巻という短い尺の中でも登場人物一人一人の内面描写を丁寧に描き、その時々では理解できなかった行動や、何気ない光景も後に伏線となって効いてくる所が面白いところであり、心に刺さる良作であったが、今作はそういった構成のうまさを拾いきれない。端的に言えばただの原作シーンの切り貼りにしかなっていない。
なぜ西宮は再会して間もない石田に告白したのか?なぜ結弦は男勝りな態度をしているのか?なぜ植野は西宮に異常に固執していたのか?石田が世界から消えた後に何が起こっていたのか?あらゆる要素、描写において今作は原作の補完なくして理解できないものが多すぎる
「声」が無くても伝わるもの、「声」に出さなくちゃ伝わらないもの。その2つのファクターをないがしろにしてしまった結果、かりそめであれ、石田の積み上げた友情が脆くも崩れ去る橋のシーンや、花火大会のその後に対してグサグサくる痛さや重さというものが感じられない。
2時間で足りないなら前後編に分けるとか、TVシリーズにするとか、もう少しやりようがあったのではないか。
美術と女の子をいかに可愛く描くかということにかけては、やはり一日の長があるが、それでも西宮は原作の方が儚げで可愛いし、川井さんはもっとゲスでクズな人格だったと思う
原作未見でこの映画を見て、面白いと思った人は是非原作を手にとってより深く作品を理解して欲しいし、合わなかったという人にこそ、原作を読んでキャラクターたちの本音を汲み取ってあげて欲しい。
ディアッカ

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