今年暫定ナンバー1。
いじめの加害者、被害者(それと傍観者)。
自覚のあるなしはともかく、どちらにも属したことのない人間なんているのだろうか。
かく言う私も例に漏れず両方を経験してきた人間の一人だ。
小学校から高校まで同じ学校に通っていたK。
私は高校の3年間彼を虐め続けた。
小学生の頃は同じサッカークラブで熾烈なベンチ争いを繰り広げた良きライバル。
同じクラスになった中三、他の二人を加えた四人でつるんでは毎日馬鹿やる仲良しに。
そのまま二人同じ高校に進んでからも、クラスは違うのに基本いつも一緒に帰る相変わらず仲の良い友達。
でも高一のある日、子供じみたことで彼と大喧嘩をした。
今じゃどっちが悪かったのかなんて分からないし、そんなことはもうどうでも良い。
とにかくその日以降私は精神的にも肉体的にも彼を虐めるようになった。
自分のクラスメイトを観客として引き連れ、Kのクラスに乗り込んではビンタして立ち去る。
本を読みながら歩くKを見つければ無言で本を叩き落とす。
そんな最低ないじめを繰り返した。
高二高三、そこまで直接的ないじめは少なくなったが関係の悪さは相変わらずだった。
彼との仲の悪さや悪口を新しいクラスで話しのネタにする、私はそんなクズだった。
そんな中迎えた卒業式の日、彼は共通の友人を介して私を呼び出した。
混乱する私をよそにKはあろうことか私に謝り、和解を申し入れてきたのだ。
あんな最低なことをしてきたのに… 悪いのはこっちなのに…
もちろん和解を受け入れ、こちらからも謝罪し、一応は解決した。
卒業後は一緒にバイトもしたし、私がその店を辞めた今でも仲良くしてくれている。
でも自分からしっかり謝れていないことへのモヤモヤは消えずにいた。
そんな時、聲の形を一人で観た。
Kとのことを思い出し、罪悪感に押しつぶされた。
映画館を出てコンビニでレジを打ってもらっている間も涙が止まらなかった。
私はいてもたってもいられず、その日のうちに彼に会いに行った。
彼と一緒にこの映画を観て、ちゃんと謝らなければならない、そう思ったからだ。
約束を取り付け、ようやくその日がやってきた。
映画を観終え、とりあえずレストランへと場所を移す。
無難な会話をしながら食事が一区切りつくと、本題に入った。
今でも罪悪感が拭えないこと、こちらから謝る機会がほしかったこと、聲の形がその機会になると思って誘ったこと、高校時代にしてしまったことへの謝罪、和解を申し入れてくれたことへの感謝…
彼も映画を観終えた時点でこちらの意図はなんとなく察してくれていたらしい。
それぞれの想いを存分に吐露し合い、レストランを出た。
夜道を歩きながらKと私は「お互い謝り合うのは今日で終わりにしよう」と約束した。
謝ったからといって犯した罪は消えないし、それを忘れるつもりもない。
でもこの映画のおかげでKとの関係が一歩前に進んだことは間違いないと思う。
本当にこの映画を作ってくれてありがとう。 そしてK、何もかも本当にありがとう。
お前は最高のビッグフレンドだ!
って映画の感想全然書いてなかったね。
じゃ、こっからレビューってことで。
前提として、アニメは基本苦手です。
特にこの映画みたいに、髪がカラフルで声優はいかにもアニメ声でっていうのは…
だもんで見始めはうわぁ…(ー ー;)って感じでした。
が、内容が良ければそんなことは忘れちゃうらしく、気づいたら作品に入り込んでました。
いじめがテーマなだけあって序盤の胸糞悪さは想像以上。
本気で途中退出を考えるぐらい気分が悪い。
でもこれに近いことを自分もしてたことを考えれば逃げずに観なければ…ってことで我慢。
なんで酷いことしてる時ってそれに気付けないんだろう…
クラスに馴染めない人間、死を考える人間の心理描写が凄まじくリアル。
昔下ばっか向いてた時期あったっけなぁ…
ほんとその頃のクラスメイトの顔ほぼ覚えてないや…
あのバッテンあながちフィクションとも言い切れないかもね。
死ぬ前の儀式、本気でああいう考えに至りがちだよね、親が喜ぶわけないのに。
親の謝る姿が胸に刺さる。
これね、罪悪感と涙腺爆発必至。
ハンカチかティッシュ絶対持ってた方が良い。近くで声上げて号泣してた観客、すっごい気持ち分かるよ!
みんなが良い奴になってハッピー、っていう展開じゃないのも素晴らしい。
そりゃ人間だもん、色んな性格あって当然よ。
全キャラ個性的で魅力的。
いじめがメインテーマだろうけど親子、友情映画としても一級品だった!
アニメも毛嫌いせずに観なくちゃな。
教材として全国の学校で上映すべきだよこの映画は。
長年最後の一作品を決めかねていた三大アニメ映画の最後のピースがこれに決定。
あと二つはもののけ姫と時かけ。
10/10と11/2と11/12に鑑賞。