このレビューはネタバレを含みます
信仰と家族の崩壊の物語。
娘のトマシンが少女から女性に変わり始めたことで信仰と家族が綻び始める。物語内では男性がとにかく無力。父はただただ自分の信仰心を人に押し付け、その結果の家族崩壊を止めることができない。長男のケイレブは性的なものへの関心より身を滅ぼす。
そして何より恐ろしい女性陣の家族内の覇権争い。母は父を罵り女としての嫉妬から娘を責め続け、双子の女の子の方はただただうるさく場の混乱に拍車をかけていく。主役の娘トマシンも最後は鬱積した心を父親にぶつけて父親の無力感を煽ります。
そして家族が滅びたところに、悪魔の使いがトマシンを魔女にスカウト。
家族や世間の無理解によりはみ出した女性達のコミューンが魔女なのかと。そう考えると、そのままリメイクの方のサスペリアに繋がって行く前編と考えても面白い。
とにかく陰鬱な感じと閉塞感がとっても好みで楽しめる。