yawara

ウィッチのyawaraのレビュー・感想・評価

ウィッチ(2015年製作の映画)
3.9
ある家族が互いを信じられず、瓦解していく過程を描く。

ヨーロッパにおいては強い信仰心が人の気持ちを強く縛っていた時代であり、その時代ならではの悲哀に震える。身内すら監視対象になるような息苦しい生活の中で魔女(広義では反キリスト?)が生まれるのは必然ではないかと考えさせられる。

作風は終始落ち着いたトーンで、どこか陰鬱でまとわりつく湿気が伴う。ロケーションや美術を徹底して作り出したこの空気にキャストや音響もうまく調和していて、ひとつの絵画のような作り上がり。信じられないほど美しい。

作品内で感じる息苦しさは今の時代でも通底する物のように思い、この映画への自分なりの答えは人に寛容になる事。
教訓めいたテーマを扱った映画かと思います。敬愛するロバートエガースとの出会いという意味では個人的金字塔。
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