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Chasing Iceのsoraringのレビュー・感想・評価

Chasing Ice(2012年製作の映画)
4.5
「チェイシングコーラル」でも感じたけど、この監督は今起こっている異常現象を、数字やコンピューターのモデルなどではなく、写真などの映像媒体を利用して、人々の目に見える形で訴えかけるといったスタンスを持っているのだと思う。自分の目で見たものなら信じるという人が大抵だから。

そのために自然が破壊されるのをむしろ望んでるような時もあるけれど、この映画を見る前の自分みたいにそれほど深い知識を持ってない人は未だに多いし、「氷河の崩壊は有り得ない」とか「そんなこと言ってるやつはペテン師だ」などとほざく人も実際いるので、悲しいけどこういう活動はかなり大事なのだと思う。

そして、監督の目論見は上手くいってると思う。氷河の氷は一つとして同じものはなく、全てが荘厳で美しく、そんな美しい氷河が崩壊して行くのも、美しくはあるけれど、同時におぞましかったし、それを素晴らしく捉えていた作品に感じた。

地球環境に与える影響も懸念すべきだけど、それ以上に「こんなに美しいものがただ壊れて行くのを見物するのだけは絶対に嫌だ!」と思わされる。それが今作、そして「チェイシングコーラル」の最大の魅力。

状況がわかった今、次に考えるべきは、「これからどうすればいいのか?」であり、それをもっと多くの人が考えなくてはならない。
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