フジタジュンコ

ラバランチュラ 全員出動!のフジタジュンコのレビュー・感想・評価

4.2
マイク・メンデス監督作品ということで、この手の作品に対するには過大な期待をもって鑑賞したのですが、裏切られることなく、最後までしっかり楽しめました。

サンタモニカ山が爆発、火山から発生した巨大な火を吐く蜘蛛が人間たちを襲い、ロサンゼルスはパニックに! かつて人気俳優だったが今はパッとしない主人公のオッサン・コルトンが、家族を守るために立ち上がる…! という、これ600回は見た展開だな?と思ったら、俺たちの愛するsyfyのテレビ映画でした。コルトンによる映画制作スタッフに向けた演説はまさしく「シャークネード2」。
シャークネードユニバースといっても過言ではない証拠に、フィンことアイアン・ジーリングさんもカメオ出演しています。この数秒だけのためにアイアンだけでなく吹き替えも堀内賢雄さんを起用するというのがなんとも贅沢な…

コルトンとその家族ごとのシークエンスが効果的で単調にならず、蜘蛛もいいタイミングでしっかり襲ってきてくれるのでずっと心地よい緊張感がありますし、落ちぶれてしまった映画スターが、リアルな世界で家族にとって、制作スタッフにとって、ロサンゼルスの市民にとっての「スター」になっていく過程と、そのカタルシスには感動すら覚えます。

キャラクターも魅力的で(「ポリスアカデミー」ファンにはもっと楽しめそうです。残念ながら私は遠い昔に見たきりでまったくキャストなどの記憶がないのですが…)、コルトンの妻がサラ・コナーかってくらいかっこいいし、息子の仲間の女の子が蜘蛛に侵食される描写もしっかりグロくてゾワゾワします。どうでもいいけど、メンデス作品に出てくる女優さんてバジェットに鑑みると不思議なくらいみんな美しいのだけど、メンデスはコネクションとかもってるんですかね??